手放した機材のお話【03】

Ibanez PGM100

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 ポール・ギルバートモデル最初期に限定で作られたシグネチャーモデル。Fシリアルのジャパン製。1997年当時、まだ上州屋の建物の地下似合った頃のイケベの渋谷店(B'zの野性のENERGYのPVで出てくるところ)で¥49,800で購入。 この後発売された、リバースヘッドの廉価版ではない。

 

 上京して初めてやったバイトで買った記念すべきギター。 渋谷オンエアーの隣にあったたこ焼き屋で2ヶ月位働いて貯めたお金で買った。ちなみに関東進出を企む大阪人経営者のスパルタ式のたこ焼き屋で、バイトが初めての私には厳しすぎて途中でバックレた(ちゃんと連絡はしたよ?)。そのたこ焼き屋は今や関東一円にチェーンを展開する有名たこ焼き屋になってないところを見ると、関東進出は失敗したのだろう。

 

 

 

 このギターは鳴るとか、枯れるとか、そんなギターではないですが、とにかくウィザードネックの薄さに、クラシックフォームでのスピードプレイをするためだけに作られたようなギター。(PGM100で採用さているウィザードネックは、後のスーパーウィザードネックに比べると少し厚め)

 

 このギターで得たことは…おかげで指がとにかく速く動くようになった。10代の終わりから20代の前半、こいつで速弾きの練習しかしてなかった。僕はレーサーXのようなツインリードのメタルバンドで大学在学中にデビューしようと夢見ていた…! まぁそもそもメタル自体が落ち目だったので、そんな夢は全く叶わなかったのですが。

 

 当時、そのPGMの隣りにあった、ジョン・ペトルーシのシグネチャーモデルの最初期ピカソがUSEDで5万オーバーだったため、安さにつられポールモデルを手にしてしまった。今の相場から考えれば、Fシリアルの日本製Ibanezギターが5万とか爆安である。

 

 後悔はしていないが、ローンを組んででも二本とも買っておけばよかったと今では後悔している。(後悔しとるがな)

 

 あれから20年以上たった今、最初期に作られたピカソ信じられないくらいのプレミア価格でやり取りされているのだ…。 PGM100は同仕様で再販されてしまったがために、初期モデルにはあまり価値がないのだ… (*_*)

 

 PGM100の仕様は、最初の状態ではフロント・リア共にPAF PROでセンターはFS-1(何の変哲もないディマジオのシングルPUで、とにかくノイズがすごい!) 

 

短所はPUの音量バランスがどう調整しても最悪だった。ハムからシングルにすると、びっくりするくらい音量が下がる。(今考えると、あのFS-1は内部で断線していたのかもしれないなァ…)

 

 ディマジオの『PAF PRO』は基本PAFをイメージしつつもゲインアップしたPUで、むちゃくちゃ太い音とこれでもかというピッキング音が出るが、これまた非常に高音がヌケない。ただ、甘い音がほしいのでフロントは残した。 

 

 リアはMr.Big中期のポールサウンドでおなじみの『Tone Zone』に変更して、それを大学生時代から10年くらい使用。どこで弾いてもピッキングハーモニクスが軽々出るし、長めのベンドをすればすぐにフィードバックするし、むちゃくちゃロックなサウンドに酔いしれました。

 

 最初はハイパスフィルターが付いていた。ボリュームを絞るとシングルコイルのように繊細でキラキラしたサウンドになる。 当時はポールもそうやってクランチトーンをLIVEで演出していた。 しかしイケベに修理に出したらハイパスフィルター効果が無くなって返ってきた、勝手に仕様を変更するんじゃないよ笑  当時の私は若く知識もなかったので(そういうものなのかなぁ…)と思ってそのまま使ってしまっていた。今だったらクレームものである。

 

 PUは30半ばすぎると、ToneZoneのトレブルがキツすぎて、最終的によりマイルドなサウンドを出していたアンディ・ティモンズモデルで落ち着いた。ちょっとEVOLUTIONの太さにに似てるんだけど、あれほど出力の強さが気にならなくて、かなり甘いトーンになる。これ耳が疲れ始めているオジサンには最強でした。 

 

 

まぁ思いでを語りだしたらきりが無いが、僕の青春の1ページには欠かせないギターである。