2006年9月16日(土)

conpati2006-09-16

[http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000FZDO9Y/sr=1-1/qid=1158153787/ref=sr_1_1/250-9573385-1615402?ie=UTF8&s=music :title=ウニヴェルソ・インヴェルソ~
キコ・ルーレイロのブラジリアン・ジャズ・グループ的観点の紹介/キコ・ルーレイロ ]






僕は「ロックの人が本格的に取り組んだジャズ」といった見出しに弱い。
それは「ロックの人がジャズっぽくやったフュージョン」ではないのであしからず。


キコ・ルーレイロはブラジル出身の超絶技巧派ギタリストとして
HR/HM界では誰しもが認める、頂点の一人であることはファンにとっては周知のこと。 

テクニカル系ギタリストの多くが「バークリー」か「GIT」という、二つの音楽学校出身者が多いことで知られる。
良くも悪くも、この類のスクールを卒業したギタリストは、その学校の色に染まって表に出てくる。
ポールだってペトルーシだってそう。


だがキコにはそういった学校独自の『型』が見られない。
たとえば彼は「ジャズっぽく」ではなく
かなりの次元でホンモノのジャズに迫るアプローチをしているように見える。



彼の上手さの特徴としては「速い」とか「リズムが云々」といった次元の『上手さ』とはちょっと違い
指板をくまなく、そして全てのポジションを使って演奏をする。
彼の理論によって裏づけられていて、なおかつ有名なスクールの型にはハマらない、とても興味深いプレイ。


たとえばスピードプレイでは定番のスケールの上昇。
それひとつとっても、バークリーやGIT出身者とは一味違った音選びを彼はする。


HR/HMでミュージシャンズミュージシャンと呼ばれるギタリストに
グレッグ・ハウやリッチー・コッツェン等がいるが
やっぱり彼らに共通して言えるのは、一般的US・HR/HMの発想枠を超えないということ。

キコのプレイには、アメリカ・イギリス出身者では出すことの出来ない
ラテンの持つ魂のようなもの(もちろん理論的なアプローチも含めて)があるのだろうか。






この作品はいわゆる[HR/HM畑のギタリスト]のソロアルバムにありがちな
「テクニカルロックギタリストが出した、ジャズっぽいフュージョンちっくなHRインスト」
といった類のアルバムではない。 ロックインストが大好きな人が買うと、必ず落胆すること必死。 




むしろ…



「どうせヘビメタの人がやってるんでしょ? 」 って言っちゃう、頭カチカチのジャズマンや

 

「ピロピロやってるだけでしょ?そういうのってダサくね?」

と、ついつい『ヘビメタ』と名が付いたものを敬遠しがちな人。
ギャグとしてしか、ヘビメタといったジャンルを受け付けられない人




特に普段、普通にジャズを聴く人には、オススメしたい。
そういう人にとって「おっ、面白いアプローチ! この人タダもんじゃねぇな」
といった印象を持つことが出来ると思うのです。



他に、いわゆる「GITやバークリー出身のテク系ギタリスト」に飽きちゃった人にもオススメだと思います。
スケールライクで教科書通りな速弾きじゃなく、熱いプレイがここにある。




●●動画●●

http://www.youtube.com/watch?v=--TYp43PVgY


キッズなら「うおーはえー!なんか難しそう!うめー!ピッキングすげー!JPとどっちが上手いかな?」って感想かも。


ちょっとでも理論をかじった事のある人なら多分

「おー、そこのその音使うのね、よく考えてるなぁー。
 ああ、そこのそんな音まで…ホホウー JPはそこの並びはそう使ってなかったなぁ、キコ流なのかなぁ…?」


という感じになるはず。

中盤出てくる「ジャズ風」ではない、ホンモノのジャズフレーズも耳をひきますね。



注意)

今日紹介したアルバムには、上のような曲は一曲も入ってないので
そういうのをを聴きたい人はファーストソロアルバムをお勧めします。