Dear FriendsV/岩崎宏美

今週のおすすめは、Dear FriendsV/岩崎宏美 です。


最初一通り聴いてたときは、「また流行のカヴァーか…」とか思ってましたが、宏美さん5作目だそうです。全然流行にのったとかそんなのじゃありませんでした。むしろ徳永さんがヴォーカリスト4を出したばかりですから、もっと先を行ってますね。


一回目聴いたときは、非常に微妙な感じでしたが、何度も何度も聞き込むうちに味が出てきます。やっぱベテランのミュージシャンのアルバムは1回目では判断してはいけないのですねぇ。 


余談ですが、00年代の日本社会は一切の無駄を排除し、社会は「合理的で無駄のないことこそ優良である」ことを最優先させるようになっていました。しかし最近すべてにおいて合理的であることが、必ずしも正しくはないということが認知されてきた感があります。  


それは音楽業界においても似たようなもので、少し前のように過度にキャッチーな、まるでテンプレートのようなメロをあわせた、行き過ぎた王道、「一瞬のヒット曲」を高サイクルでリリースなどするのではなく、そろそろ噛めば噛むほど…というスルメ曲スルメアルバムというものをまた再検討してもいい時期でになってきたのではないかと思います。



宏美さんも昔に比べれば高音域が出にくくはなっていますが、それでも「愛燦燦」が本当にすばらしい。あと朋友ASKA氏の「はじまりはいつも雨」、個人的には2010年度版「Love is alive」が聴きたいという思いも。


全編にわたり、上品なジャズアレンジで流しておくのにもとてもいいアルバムです。オモチャのようななファッション性重視の曲が流行を席巻する今こそ、こういった本物の音楽が聴けるアルバムはとても貴重だと思います。


Dear Friends?

Dear Friends?