インストアルバム。

「実家に送ってしまったので、手元にないからまた買うかー」と思ったら手元にあったので、2枚になってしまったアルバム。



西山毅 『CREATURE』 (1999年発売)


毅といえば真っ先に私が思い浮かべるのは本田毅氏ではなく、西山毅氏である。当時西山氏について調べようとすると、本田氏の情報ばかり出てきたので少し苦労した思い出があるのだ。





このインストアルバムとの出会いは今から12年前、秋葉原に通い始めた頃、今も通常営業中のLAOX楽器館のギターフロアでかかっていた『Stormy Night』があまりにも格好良すぎて、Now playのジャケットをメモって、そのまま即買い。 どこで買ったのかなぁ…石丸電気で買ったかなぁ、蒲田の駅ビルで買ったかなぁ。 秋葉原LAOXには今では激レアモデルの西山毅モデルも売ってましたね。あのギターはたしかリア/フロント共にディマジオのToneZoneでしたっけ?そのくらいしか仕様が思い出せませんが。




とにかく、これがとても『曲』いいアルバム。 テクニカルなアルバムってのは腐るほど沢山あるんだけど、曲がよくないアルバムって本当多くて、曲が良くないとどんだけテクニカルであろうと、聴けないわけよ。 




あと重要なことは日本人好みの曲が入っていること。そうしないと、日本でのジョー・サトリアーニのようになってしまうわけだ。ほどよいコブシのまわり具合と、バランスよいテクニカル感。もちろんこの当時ハマっていた春畑道哉氏にも共通して言えることでした。 




発売当時、ちょろっとだけどYGでも奏法解説をしてましたね。しかしテクニカルすぎてコピーできないだろうという感じの説明文。たしかに完全コピーなど、おそらく今でも出来ないのだ。 奏法解説の一曲に「唯一完コピできそうな…」なんてYGの奏法解説に書いてあるんだから、このアルバムは相当なテクニカルな部類だろうと思う。  当時のYGのスクラップをいまだに持っているが、たしかにかなり難しいのだ。





ソロは速弾きになればかなりポール・ギルバート風になったり、タッピング&上昇フレーズになると、ヌーノでおなじみのフレーズが出てきたり、ちょっとスローな曲になるとかなりカールトン風になったりと、オリジナリティがあるかと言えば、それほどはないかもしれない。




だが上手いこと「誰々風」なプレイがオリジナル曲に生かされていて、そのモチーフになった人のプレイをコピーしたことがある人にとっては、「ああ、あの人のプレイをオリジナル曲に反映させるならば、こういう風に料理すればいいのか!」とても興味深いのである。




いわゆる、理論派とか技巧派と呼ばれるプレイヤーに多い、『マイナーなんだか、メジャーなんだかよくわからない曲に、アウトフレーズ系ソロ満載の変態ギタリスト』のインストアルバムではなく、弩ストレートに純粋なまでのロックインストアルバムである。



「ああっ!!なんか勢いのいいロックインストアルバム聴きたいな!!」って人は是非お買い求めください。120%の満足をお約束します。 逆に「ここズレてるじゃん」とか「これってピッキングミスじゃん」とかプレイヤーの失敗を発見して、ブログなんかで報告しちゃうようなことに楽しみを覚えるようなタイプの方は聞いてはいけません。




私のギタープレイに影響を及ぼしたロックックインストアルバムを3枚挙げろというならば…



松本孝弘/ワナゴーホーム
人生で一番最初に買ったインストアルバム。


春畑道哉/カラー・オブ・ライフ
歌メロそのままインストの代表格、ちょっとクサいんだけどハマると抜けられない。


鳥山雄司/ディープ・シティ・トラベラー
とにかくベンド一発の存在感が素晴らしい。



そして、西山毅/クリーチャーかなぁ。


基本、歌メロをそのままインストで弾くようなタイプの人が好きです。 逆にいわゆる理論派・技巧派と呼ばれる人にありがちな、浮遊感のある、複雑なコードの中をアウトフレーズちりばめながら演奏するタイプの人は苦手。洋楽も沢山聴きましたが、自分のプレイまでに影響を及ぼしているとなると、やっぱり日本人ばかりです。 外人ギタリストはあんまりクサいメロ回ししませんからね。